2019年8月20日 午前9時~午後3時
講義1(午前の部)
立命館大学文学部教授 田浦秀幸先生
最初に、SGHの研究を行う際に「リサーチ クエスチョンのたてかた」や「仮説のたてかた」を学び、論文を書く際に「理論的枠組み」、「再現性」、「レプリケーション」が含まれていること、また「剽窃」とならないようにするための注意などを学んだ。
次に、田浦先生の専攻分野であるバイリンガリズムに関してどのような状況でも、年齢相応の寛容が必須であること、また視点のもちかたとして「関連性と範疇性」(関連は、ある事柄と他の事柄との間につながりがあること、範疇は同じような性質のものが含まれる範囲のこと)があることを教わった。私自身は、「範疇性」の物事を最初に考えることに気づかされた。
私は特に、言語とアイデンティティーの関係に興味を感じた。田浦先生が研究しておられる「コードスイッチ」について、本当に言語をスイッチすると、パーソナリティーは変わるのだろうか。
パーソナリティーは、以下3つの構成要素があり、「能力」は、欲求を満たすための知能や技能の個人的特徴、「気質」は先天的に形成された情意的側面、「性格」はその人独自の感情的・意志的な行動の仕方や考え方の総称ということだが、私自身を例に考えてみると、扱う言語が変わると、能力にも差が生まれ、日本語からフランス語にスイッチした場合、気質や性格の面ではあまり変化しない。しかし、自分で弱いと思っているフランス語を使っているときは明らかに性格に影響がでる。これを一般的なケースに当てはめた場合、日本語のクラスは積極的に参加する人が、英語のクラスでは消極的になる場合は決して能力だけの問題と言えないように思われる。さらに、私たちの行動が理性的判断の下で行われた場合は、能力に含まれる知能をもとに意思された結果であると考えられる。
講義2(午後の部)
立命館大学
臨床心理士・公認心理士 吉川 民子先生
カウンセリングでは言葉を使わなくとも、クライアントに対して様々なアプローチ法があること、また、カウンセリングにおいてクライアントの社会的性格や役割的性格を熟知ことが必要であることを学んだ。吉川先生がおっしゃった「文化の翻訳」という言葉は非常に印象に残った。またユングが人類に共通する普遍的なイメージを生み出す層を「集合的無意識」と呼び、文化を超えてとても似ている神話や模様が形成されている事実がとても興味深い。吉川先生の講義から、カウンセリングは一種の異文化交流であると考えることができると思った。
人からの”承認”は目に見えなかった。しかし、それは今となっては過去の話。”いいね”や”like”がつくと、承認されたのが目に見えるようになり、それは近くにいようが遠くにいようが変わらない。”認証”がいわばグローバル無限化したといえるかもしれない。これは。人間らしさを自壊させかねないのではないか。故に私は、”認証”が近年どのように変化し、それが今後人間の尊厳にどう影響するのか研究したいと考えている。
講義1(午前の部)
立命館大学文学部教授 田浦秀幸先生
最初に、SGHの研究を行う際に「リサーチ クエスチョンのたてかた」や「仮説のたてかた」を学び、論文を書く際に「理論的枠組み」、「再現性」、「レプリケーション」が含まれていること、また「剽窃」とならないようにするための注意などを学んだ。
次に、田浦先生の専攻分野であるバイリンガリズムに関してどのような状況でも、年齢相応の寛容が必須であること、また視点のもちかたとして「関連性と範疇性」(関連は、ある事柄と他の事柄との間につながりがあること、範疇は同じような性質のものが含まれる範囲のこと)があることを教わった。私自身は、「範疇性」の物事を最初に考えることに気づかされた。
私は特に、言語とアイデンティティーの関係に興味を感じた。田浦先生が研究しておられる「コードスイッチ」について、本当に言語をスイッチすると、パーソナリティーは変わるのだろうか。
パーソナリティーは、以下3つの構成要素があり、「能力」は、欲求を満たすための知能や技能の個人的特徴、「気質」は先天的に形成された情意的側面、「性格」はその人独自の感情的・意志的な行動の仕方や考え方の総称ということだが、私自身を例に考えてみると、扱う言語が変わると、能力にも差が生まれ、日本語からフランス語にスイッチした場合、気質や性格の面ではあまり変化しない。しかし、自分で弱いと思っているフランス語を使っているときは明らかに性格に影響がでる。これを一般的なケースに当てはめた場合、日本語のクラスは積極的に参加する人が、英語のクラスでは消極的になる場合は決して能力だけの問題と言えないように思われる。さらに、私たちの行動が理性的判断の下で行われた場合は、能力に含まれる知能をもとに意思された結果であると考えられる。
講義2(午後の部)
立命館大学
臨床心理士・公認心理士 吉川 民子先生
カウンセリングでは言葉を使わなくとも、クライアントに対して様々なアプローチ法があること、また、カウンセリングにおいてクライアントの社会的性格や役割的性格を熟知ことが必要であることを学んだ。吉川先生がおっしゃった「文化の翻訳」という言葉は非常に印象に残った。またユングが人類に共通する普遍的なイメージを生み出す層を「集合的無意識」と呼び、文化を超えてとても似ている神話や模様が形成されている事実がとても興味深い。吉川先生の講義から、カウンセリングは一種の異文化交流であると考えることができると思った。
人からの”承認”は目に見えなかった。しかし、それは今となっては過去の話。”いいね”や”like”がつくと、承認されたのが目に見えるようになり、それは近くにいようが遠くにいようが変わらない。”認証”がいわばグローバル無限化したといえるかもしれない。これは。人間らしさを自壊させかねないのではないか。故に私は、”認証”が近年どのように変化し、それが今後人間の尊厳にどう影響するのか研究したいと考えている。
(G11 川和 二コラ)